NPO法人リトルターン・プロジェクト

東京都大田区昭和島にある都下水道局森ヶ崎水再生センター施設屋上に、東京都、大田区、NPO法人リトルターン・プロジェクトの3者協同で整備している人工営巣地でコアジサシ保護活動を行っています。活動の様子などをご覧ください。記事上の画像、図式などの無断使用をお断りします。

8月4日(土)森ヶ崎屋上営巣地

皆さま
連日の熱帯夜にロンドンオリンピックの熱戦が続き寝不足がお続きのことと思っています



夏空の拡がった屋上営巣地

残っていたシロチドリの巣を確認すると卵が無くなっていてどうやら無事に孵化した様子でした
しばらく親鳥を観察していましたがヒナの姿が確認できません
親鳥は何回も排水溝をカバーしているコンクリートの通路の端で鳴いていました



通路の端を見ると地震で出来たと思われるわずかな隙間が広がっていましたそしてその隙間を覗きこむとヒナの鳴き声が聞こえて来ました



一番近いグレーチングを外している時にも親鳥は来ていました



新米K代表が暗い排水溝の奥まで小さな懐中電灯を頼りに救出に向かいました



灯りに浮かび上がった2羽のヒナ



無事救出されたシロチドリのヒナ



営巣地に降ろしてあげると元気に親鳥の方に走っていきました
迷い込んでからの時間が短かったのが幸いしたのと新米代表の勇気ある行動に小さな命が救われました

この後緊急隙間点検が行われ改善されたことを付け加えておきます
その際にも中央の排水溝近くにコチドリを確認していましたが
あじ写師さんが通路にヒナ連れのコチドリの親がいてその親がグレーチングを覗いて中を気にしている様子だと教えてくれましたので
もしやと中に潜り込んでみると



コチドリのヒナが1羽迷い込んでいました
助け出し兄弟の近くに連れて行って上げたのは言うまでもありません
発見から救出解放までピクリとも動きませんので気が気ではありませんでしたが離れるとすぐに親鳥が戻り2羽そろって元気に走ってお腹の下に潜り込みましたので胸をなでおろしました
どうやら隙間をふさぐ前に迷い込んでしまったようです
捕食者だけでなくこんな落とし穴も小さな命を奪っていたのかと反省しています

救われた命がある一方で



屋上営巣地にはチョウゲンボウが狩りに入り何かを捕まえて明り取りの上で食べていました
後で確認したところヒバリの若鳥が犠牲になったことが食痕からわかりました
夕方にも再びの侵入がありましたので自然の厳しさを感ぜずにはいられませんでした


この日静かな営巣地に久しぶりに懐かしい声が響きました
どこからともなく2羽のコアジサシが飛来し森ヶ崎上空をまるでお別れでも言いに来たように一周しました
森ヶ崎での見おさめとなりそうです


おまけ



秋の渡りも本格的なシーズンを迎えメダイチドリ89羽とムナグロ3羽が屋上営巣地で羽を休めていました
髭面燕鴎