NPO法人リトルターン・プロジェクト

東京都大田区昭和島にある下水処理施設「東京都下水道局森ヶ崎水再生センター」東施設の建物屋上に、東京都下水道局と大田区とNPO法人リトルターン・プロジェクトの3者で協同で整備している人工の営巣地でコアジサシの保護活動を行っています。活動の様子などをご覧ください。

森ヶ崎屋上営巣地春の整備作業について

森ヶ崎水再生センター屋上営巣地 春の整備作業2018企画趣旨
 コアジサシはチドリ目カモメ科の小型の夏鳥であり、日本へは繁殖のために渡来しています。
近年では砂浜や玉砂利河原等の自然の営巣地が減少したり、外敵による捕食被害等のさまざまな要因で生息数を減らし、環境省の絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
その絶滅に瀕しているコアジサシ保全するために、安全な営巣地としての東京都下水道局森ヶ崎水再生センター東施設屋上営巣地を保全しています。
東京湾内でのコアジサシの営巣地は数少なく、森ヶ崎屋上営巣地は最後の砦と言っても良い重要な場所になっていると考えています。
2001年に初めて屋上での営巣が確認されてから今年で18年目になります。
この間、草が繁茂して営巣地として適さなくなったり、カラスやチョウゲンボウなどの捕食によりヒナが巣立たない年もありましたが、毎年コアジサシが帰って来ています。
17年連続利用されている営巣地は大変珍しいのではないでしょうか?
多い年では2003年の4,000羽、2015年の2,000羽、昨年は650羽のコアジサシが飛来し1,292巣の営巣があり、1,400羽のヒナが産まれています。
昨年までの総営巣数は11,177巣、そこから産まれたヒナは累計で10,068羽(推定)になります。
コアジサシは浮気な鳥で繁殖地を頻繁に変えると言われていますが、その理由の一つに撹乱が起きた場所を好んで選んでいるかもしれない。ということが言われています。
一度洪水や大水などで撹乱の起きた場所は、しばらくは安定した裸地状態になっていることをコアジサシは経験から知っているのではないでしょうか?
森ヶ崎屋上営巣地を毎年コアジサシが選んでくれているのには、そういった撹乱状態を人工的に作り出す作業を行ったり、コアジサシを呼ぶためにデコイを設置したりコアジサシの声を流したりしていることが大きいと考えています。
その重要な作業の一つが毎年3月末に行っている森ヶ崎水再生センター屋上コアジサシ営巣地春の整備作業になります。


作業内容(作業優先順)
1.通路・排水口周り清掃作業


営巣地外周通路及び排水口周りには、雨で流されてたまった土砂などが堆積しています。
このままでは、雨天時に排水口が詰まって雨水が溜まり営巣地が冠水してしまい大事な卵が水に浸かってしまう可能性があります。
排水口をきれいにし、通路の土砂やごみを取り除いてきれいにしておく必要があります。
きれいにした通路はまるで雨で洗い流されたようで、これも人工の攪乱状態になると思われます。


外周通路上に散乱している貝殻は、ふるいでふるって貝殻を営巣地内に戻します。
掃除で発生した土砂などは、一輪車で下段営巣地のスラジライト区画内に運びます。

草の中の山になっている部分に小さくまとめて集積します。
2.カラス除け修復作業

外周ウォール上にカラスが止まりにくいように、鳥除けの糸を張っています。
糸が切れている部分に新しく糸を張り直します。

カラス除けを設置する前の営巣地
コアジサシの営巣に気が付いたカラスがウォール上にズラッと並んで、次から次と営巣地内に侵入して卵やヒナを襲いました。
翌年からウォール上に糸を張りカラスが止まりにくいようにしています。
卵やヒナを盗られられないために必要な補修作業です。
3.草むしり作業


上段部砂利区画内にも経年変化により草が生え、だんだんとその面積を増やし始めています。
このまま放置をすると数年後にはかなりの面積にはびこることが予想されます。
かつて営巣地が下段だけだったの時に、
下段営巣地が一面の草原になりコアジサシの営巣がたった1巣になったことがありました。
コアジサシは草などの生えていない裸地環境を好みます。
そこで、今年から上段部営巣区画内の草むしり作業を行います。

区画内に生えている草を忍者熊手や除草ガマなどを使用して根から抜き取ります。
抜き取った草は土をよくふるい落としてゴミ袋に入れてください。
*草ゴミは燃えるゴミとして処分いたしますので、できるだけ土を落としてから袋に入れて下さい。

下段営巣地は草に覆いつくされてしまった部分もありますが、そこでは都市部での草地の減少により数を減らしていると思われるヒバリが営巣しています。
草に覆われてしまいコアジサシは営巣しませんが、草地で暮らす鳥達のために残すことも大切だと考えています。
先日屋上営巣地に入った時にヒバリを20羽ほど確認しています。
また、草の種をツグミカワラヒワなどが食べている姿も目撃しています。
4.レンガシェルター増設作業


昨年上段部営巣地内のレンガシェルターを全て大型レンガシェルターに作り替えました。
その結果多くのヒナがシェルターを利用してカラスやチョウゲンボウ等の捕食者から身を守ることができたと考えています。
一昨年は1,600羽のヒナが産まれましたが、巣立ちを迎えることが出来たのはわずかに80羽でした。
大型レンガシェルターを設置した昨年は、同じようにカラスとチョウゲンボウの侵入がありましたが、250羽のヒナが幼鳥として森ヶ崎屋上から巣立って行きました。
大型レンガシェルター設置の効果が大きかったのではないかと考えています。

そこで、上段部のコアジサシの営巣が多い区画内にI型レンガシェルターを増設します。

下段営巣地外周通路にレンガが集積されていますので、
リヤカー、一輪車を利用して上段部営巣地まで運搬し上段部指定営巣区画内にI型レンガシェルターを組立てます。
*レンガシェルター組立て時にはレンガとレンガの間に少しすき間をあけるように組立ててください。
すき間を作ることによって中が明るくなりヒナが奥まで入りやすくなります。
中が暗いと奥まで入らずにいて、簡単にカラスにつまみ出されてしまいます。
5.注意事項 ・コアジサシの営巣地があるのは、昭和島にある森ヶ崎水再生センターの東施設です。
東京モノレール昭和島駅が最寄りです。
大森、蒲田からバス便がある労災病院近くの西施設ではありませんので、ご注意してください。
東京都下水道局森ヶ崎水再生センターは、普段は立入禁止の場所です。
一般の方の立ち入りが制限されています。
リトルターン・プロジェクトのイベント時のみ立ち入ることが出来ます。
・危険個所など多数ありますので、受付場所周辺及び屋上営巣地とトイレの許可された場所以外の所には立ち入ることはできません。
・森ヶ崎水再生センター内は火気厳禁です。
喫煙される場合には指定場所でお願いいたします。
*下水処理工程でメタンガスなどの可燃性ガスが発生しているため。
・作業中のケガなどに備えて保険にご加入いただきます。(1人1日50円)
ボランティア保険加入手続きはこちらで行います。
・体調不良などのために途中で帰る場合は、最寄りのスタッフにお声掛けください、出口まで同行しお送りいたします。
・途中退所すると再入所はできません。
・構内及び周辺に売店などはありませんので必ずお弁当・飲み物等をご持参してください。
・ゴミは各自でお持ち帰りください。
悪天候中止の連絡は、前日20:00までにLTPのブログにて「中止/実施」の掲示をいたします。
NPO法人リトルターン・プロジェクト
保護整備部会リーダー