NPO法人リトルターン・プロジェクト

東京都大田区昭和島にある都下水道局森ヶ崎水再生センター施設屋上に、東京都、大田区、NPO法人リトルターン・プロジェクトの3者協同で整備している人工営巣地でコアジサシ保護活動を行っています。活動の様子などをご覧ください。記事上の画像、図式などの無断使用をお断りします。

7月6日(日)森ヶ崎屋上営巣地 第8回営巣調査 

皆さま

まずまずのお天気だった昨日8回目の営巣調査が開かれました
調査は午後からでしたので午前中にいやがらすの点検補修と増設をして来ました
屋上の強い風に吹かれて煌く羽が外れていましたので針金で固定しました



これでまた複雑な動きをしてカラスを遠ざけてくれそうです
背の高い支柱を一部で導入してみましたが



屋上の風に倒れていました
高い設置の方がよりアピールできそうですが風に弱くなるのが難点です
カラスはカラス除けを景色の一部としてとらえているということでしたので
カラスに慣れが無いように森ヶ崎屋上では伸縮式の園芸用支柱を使って設置し時々高さを変えています
営巣が増えるのに合わせて増設しなおかつ高さを変えてやれば景色はいつも変化してカラスの慣れを防げるかなと思っています
下段コンクリートガラ区画内にさらに営巣が増えていましたので



いやがらす連をもう1基増設しました
いやがらす煌きよりも効果範囲は広いようです
先週設置した側でのカラスによる捕食はなさそうでした
そのいやがらすの効果で



コンクリートガラ区画にヒナが生まれていました
貝殻を撒いた効果にいやがらすの効果が重なり来週以降も次々にヒナの誕生を迎えられそうです
森ヶ崎では毎日のようにヒナが生まれています
観察会でご覧いただけなかった方もいらっしゃると思いますので生まれたてのヒナの写真を





少し大きいヒナも



昨日生まれでしょうか?
生まれた日は巣の中に留まり抱いてもらっていますが
翌日にはもう巣を飛びだしあちこち動き回っています
親とは鳴き声でコミュニケーションを取るようで何処にいてもちゃんと間違えずに小魚をもらっています
デコイの間でも生まれていました



今までデコイは誘致には役に立っても営巣には邪魔になると考えられていましたが
今年はデコイ設置区画内での営巣が非常に多いと感じています
やはりラブラブカップルのデコイが多いとそばでやるのでしょうか?
コアジサシ同士の巣間距離があまり近くなったりするとストレスがかかり穴あけ行動等をおこすと考えられていますがデコイはやはり偽物と思っているのでしょうか?
しかしデコイに求愛給餌をする個体も見かけていますし
なんと!



このデコイはモビングされて糞をかけられています
やっぱりコアジサシって面白いと思います
オモシロついでにもう一つ
前にレンガを巣の位置情報として使っているかもしれないと書きましたが



こんな管理用の通路ぎりぎりに営巣するやつもいます
調査の時も最初の一歩が要注意です
最後に
いやがらすはコアジサシの営巣をカラスから守りますが
同じ様な環境で営巣をするコチドリ、シロチドリの営巣もカラスから守ることが出来ます
コチドリの営巣に対してまもる君ではなくいやがらすを設置した巣がありました
その巣で



無事にヒナの誕生を迎えました!
まもる君設置には条件がありますがいやがらすであれば設置条件が少なくなると期待しています
おまけその1



最初の営巣を確認した区画の近くに幼鳥が集結していました
そして一斉飛行に参加



夕方の幼鳥群舞
来週には森ヶ崎の外へ出て行ってしまうと思っています
おまけその2



下段コンクリートガラ区画内でシロチドリの新規営巣を確認しました
今までパイプシェルター内での営巣ばかりでしたが今期初の砂利部分での営巣です
いやがらすからの距離があり少し心配でしたので



まもる君を設置し中に入って抱卵することを確認しました
髭面燕鴎