NPO法人リトルターン・プロジェクト

東京都大田区昭和島にある都下水道局森ヶ崎水再生センター施設屋上に、東京都、大田区、NPO法人リトルターン・プロジェクトの3者協同で整備している人工営巣地でコアジサシ保護活動を行っています。活動の様子などをご覧ください。記事上の画像、図式などの無断使用をお断りします。

8月11日(日)第13回営巣地調査

皆さま

残暑お見舞い申し上げます
立秋も過ぎ暦の上では秋ですが連日の猛暑に身も心も疲れきっています
皆さまは如何お過ごしでしょうか?

東京都心で38.3℃を記録した11日(日)に
森ヶ崎屋上では42.0℃を記録しました



そんな灼熱の太陽が照りつける炎天下での厳しい調査となりました



足元の屋上地表面温度は温度計が振り切って50℃を越えているようでした
その暑さを物語る証拠写真がこれです



午前中の調査を終わる頃には靴のソールが剥がれてしまいました
そんな灼熱地獄の中でも新規の営巣が2巣確認されました



営巣も最終盤を迎えていますので既存と合わせて8巣の営巣が確認できました

日陰のない屋上のことヒナ達はシェルターの中に多く確認しました



この日も26羽のヒナを確認しました


朝一屋上にハヤブサが侵入しましたがコアジサシが数羽で果敢に追い出すことに成功しました
調査中トビも営巣地に侵入しコアジサシによって追い出されましたが
屋上を低く飛ぶトビを見たのは初めての様な気がして
何故トビが入って来ているのだろうと気になっていました


人間は大汗をかきながら水分を補給し熱中症にはなんとかならずにすみましたが
地表面の温度が50度を超える屋上に暮らすコアジサシのヒナにはやはり地獄でした



あと少しで飛べたであろうヒナを含め5羽のヒナがこの夏の異常な暑さに命を奪われました
森ヶ崎屋上の厳しい過酷な人工営巣地の悲しい定めなのかもしれません
トビはヒナの死体を狙って入って来ているのだと自然界の厳しさも思い知らされました
チョウゲンボウの犠牲になったヒナも確認しています
ヒナが無事に巣立つまでの道程はかなり厳しい様です
保護活動の難しさを改めて考えさせられました


最後にうれしいニュースを

朝一に屋上を飛んだコアジサシは50羽程
それが午後になると大きく数を増やし




デコイの中とその周辺に降りて休息していました
どうやら繁殖を終えた個体が塒として利用しているようです
森ヶ崎屋上が安全な場所だとコアジサシ達に認めてもらえたと思っています


さらにおまけ



屋上にはムナグロ12羽の群れが入っていました

髭面燕鴎