NPO法人リトルターン・プロジェクト

東京都大田区昭和島にある都下水道局森ヶ崎水再生センター施設屋上に、東京都、大田区、NPO法人リトルターン・プロジェクトの3者協同で整備している人工営巣地でコアジサシ保護活動を行っています。活動の様子などをご覧ください。記事上の画像、図式などの無断使用をお断りします。

8月17日(日)森ヶ崎水再生センター 第14回営巣調査

皆さま
日が暮れるのが早くなってきましたね
夜には蝉の声に負けていますが虫の声が聞こえるようになって来ました
夕焼け空の雲に秋を感じられるようにもなって来ています
寝苦しい夜もあと少しの辛抱ですね
さて昨日の日曜日14回目の森ヶ崎屋上営巣地営巣調査がありました



午前中はどんよりと曇り空の屋上営巣地
屋上を飛ぶコアジサシはついに10羽ほどになってしまいました
上段部は静かに広がりもぬけの殻でした
コアジサシの誘致音声再生用のスピーカーも役目を終えましたので片付けました
下段で先週抱卵を確認していました巣を観察したところ巣に戻る親鳥はいませんでした





2巣ともに放棄されていました
先週の新規の方はそのまま放置されていましたが
卵が不自然に立っていて放棄と分かります
既存の方は穴を開けてヒナを殺していました
来週には生まれたであろうに穴からは小さなヒナがのぞけました
今年は放棄卵の中に穴あけしたものが多く見受けられます
残念ながら穴を開ける瞬間は確認できていません
コアジサシの卵への穴あけ行動の謎解明は当分先になりそうです



午後からは6名で営巣調査を行いました
調査といっても全域を歩くことはせずに残り少なくなったコアジサシを観察して新規営巣?ヒナや幼鳥を探しました
当然ながら卵を抱いているコアジサシは見つかりませんでした
森ヶ崎屋上営巣地でのコアジサシの営巣は終わりました
長く暑かったコアジサシの夏もついに終わりです
とは言ってもよくよく観察していると草の中で何かを抱いている親鳥が見つかり1週間くらいのヒナを別々で2羽確認できました



足元をすりぬけ通路を逃げる2週間くらいのヒナも確認できました
それぞれのヒナはちゃんと親から小魚をもらっていることも確認できました
ちゃんと子育て中です最後の夏をコアジサシ達は頑張っています



幼鳥が14羽いてコンクリートガラに貝殻を撒いた区画に集まり始めていました
もうかなり上手に飛んでいて親鳥から更なる特訓を受けているようでした
きっと旅立ちも近いのだと思います
昨日確認した3羽のヒナが最後の巣立ちになりそうですが
今いる幼鳥たちが巣立ってしまうとコアジサシの数がさらに減ってしまい微妙です
あと少しなのですがヒナを置き去りにして親鳥だけ旅立ってしまうこともあります
コアジサシは比較的長生きの部類に入るので繁殖の成功にこだわらないと考えられています
自然界は厳しいですね!置き去りのヒナは死を待つだけです
営巣が無くなりましたので予定通りに今回で営巣調査は終了です
調査にご協力いただきました皆さまに感謝申し上げます
ただヒナが気がかりですので今後も確認を続け森ヶ崎屋上営巣地でのコアジサシの最後を見届けたいと思っています
名残のコアジサシをみんなで見続けた夕方の西の空には



雲の上から富士山が頭を出していました
髭面燕鴎