今シーズンは200羽ほどが飛来しましたが、例年にも増して、カラスやハヤブサの襲撃にあい、雛はわずかに10羽(推定)ほどで、昨年の377羽(推定)からすると寂しいシーズンになりました。さて、
2001年の森ケ崎での発見から今年で10年を迎えます。この間生まれた雛は推定3300羽以上となり、森ケ崎生まれのコアジサシが国内外で確認されました。
のべで約5000名を越えるボランティアの皆さま、行政、企業などの協力によって整備された営巣地は皆さまのおかげで存続することができ、また進化することが出来ました。
マスメディアにも様々な形で登場し、CNNの取材では世界中に放映され、今年はNHKの「ダーウィンが来た」でも放映されました。
8月2日、朝日新聞の論説記事「地球異変」のなでも羽田空港ちかくの施設屋上での生物多様性にかかわる先駆的試みとして扱われました。
学生の研究者などによる学会での発表も蓄積され、新しい発見もあり、その成果が営巣地整備にも反映されています。
名古屋で行われた、COP10では先進的事例として、紹介され、注目を集めることができました。
来年は営巣地整備が始まった2002年から10年目の10周年を迎えます。原点をふりかえりつつ、いままでの問題点を洗い出し、次の10年に向け新たな目標をかかげる年にしたいと考えています。
長年の懸案であったコアジサシ営巣地のネットワーク化も始動させ、その環(わ)が新たな拠点となり、リトルターン・プロジェクトの活性化と進化の年にしたいと思います。
今後もご支援のほど宜しくお願い申し上げます。
平成22年12月4日
NPO法人 リトルターン・プロジェクト代表理事
増田 直也