NPO法人リトルターン・プロジェクト

東京都大田区昭和島にある都下水道局森ヶ崎水再生センター施設屋上に、東京都、大田区、NPO法人リトルターン・プロジェクトの3者協同で整備している人工営巣地でコアジサシ保護活動を行っています。活動の様子などをご覧ください。記事上の画像、図式などの無断使用をお断りします。

7/16第11回営巣調査結果

みなさま

7/16の営巣調査結果です。良いお知らせと、悪いお知らせがあるのですが、とりあえず、良いお知らせだけ書きます。悪いお知らせは後日。。。

 

コアジサシ成鳥の数>
約70羽

コアジサシの巣>
新規:2巣
既存:6巣
合計:8巣

1/2区画調査で8巣なので、全体の見積りでは16巣ですが、調査区外に巣が多かったので、実際はもう少し多そうです。成鳥数、巣数とも減ったのですが、既存の巣が残っています!こんなに残っているのは今期初です。順調にいけば、30日あたりにはヒナが確認できる予定です。例えば、こんなように↓(笑)。

写真はイメージです。(コアジサシのヒナ、2014年撮影)

というわけで、ヒナが生まれそうな見込みが出てきました。以上、良いお知らせでした。

 

まだコアジサシが頑張ってる証拠?に、今回の調査中、コアジサシにフンをかけられてしまった方もいました。

コアジサシのフンは魚臭いです。

ヒナがいると、威嚇でよくフンをかけてくるのですが、ヒナがいなくてもたまにかけてくるようです。

 

コチドリ成鳥の数>
4羽以上

コチドリの巣
新規:0巣
既存:2巣
合計:2巣

まもるくん設置の巣で卵が無くなりました。ヒナがふ化したのなら良いのですが、今回、ヒナは見つかっていません。日数を考えると、まだふ化しないはずの巣でも卵がなくなりました。もしかしたらヘビに食べられたのかも。。。

前回見つけた巣に、まもるくんを設置しました。

まもるくんの中で抱卵中のコチドリ

 

シロチドリ成鳥の数>
3羽以上

シロチドリの巣
新規:0巣
既存:1巣
合計:1巣
ヒナ:0羽

今日はヒナは確認できていませんが、来週、またヒナが生まれるかもしれません。

 

前回しかけたセンサーカメラの画像は現在解析中です。そして、今回もまたしかけました。

センサーカメラ設置状況

 

参加者のみなさま、今日は小雨の中、お疲れ様でした。天気予報もよく変わるこの頃ですが、天気予報の予報をして、調査できそうかなと思ったのですが、予報の予報が的中しました(笑)。小雨が降ったり止んだり程度でした。

調査風景

調査リーダー

明日16日の営巣調査は実施します。

参加者みなさま

明日の第11回営巣調査(13:30集合)は予定通り実施します。
念のため、雨具の用意をお願いします。

欠席等の緊急連絡は、
tyousa@littletern.net
までお願いします。

天候急変などの場合は、遠慮なく欠席の連絡をしてください。

 

よろしくお願いいたします。

 

調査リーダー

「2022アジサシの年」写真コンテストのススメ

先月もお知らせしましたが、「アジサシの年」写真コンテストが開催中です。

 

6月のコアジサシ営巣地観察会に参加し、コアジサシの写真を撮られた方、ぜひアジサシ類の写真と保全メッセージ部門」に応募されてはいかがでしょうか?
もちろん他の場所で撮影したアジサシ類の写真でもOKです。

応募は英語なのですが、英語が苦手な方はこちらに日本語のページもあります。

日本野鳥の会 : 「2022アジサシの年」写真コンテストのご案内

 

写真の応募はこちらから。

Join 2022 "Year of the Terns" Photo Contest - Eaaflyway

まだ応募数は少ないので、賞品ゲットのチャンスです(笑)

 

写真なんてないよ〜、という方は、投票してみてはいかがでしょうか。

写真への投票はこちらから。

EAAFP - Year of the Terns Photo Contest

 

抱卵中のコアジサシ

調査リーダー

 

7/10第10回営巣調査結果

みなさま

7/10の営巣調査結果です。

 

コアジサシ成鳥の数>
約100羽

コアジサシの巣>
新規:13巣
既存:1巣
合計:14巣

1/2区画調査で14巣なので、全体の見積りでは28巣。成鳥数は今期最大100羽を記録しました。

相変わらず、前回の巣はほとんど捕食され、ほぼ新規の巣です。もう7月も中盤に差し掛かるのですが、相変わらず求愛給餌と産卵が続いています。

抱卵中のメス(おそらく)の周りに、求愛給餌のためのエサを持ったオスたち(おそらく)が3羽もいたりしました。どういう状況でしょう???

もてもてコアジサシ

コアジサシ100羽かな?

コアジサシのペリット

 

コチドリ成鳥の数>
4羽以上

コチドリの巣
新規:2巣
既存:2巣
合計:4巣

巣が増えました。巣の数から考えると、成鳥はもっといそうです。来週あたりにヒナが生まれる予定です。

コチドリ成鳥

 

シロチドリ成鳥の数>
3羽

シロチドリの巣
新規:1巣
既存:0巣
合計:0巣
ヒナ:2羽

シロチドリも巣が増えました。2ペアがいるようです。ヒナは2羽を確認しました!

シロチドリのひな

まもるくんの中で抱卵中のシロチドリ♀

 

今回は、調査終了後にセンサーカメラを設置しました。

毎回毎回、ほぼ全ての巣が翌日には失くなるという状況ですが、カラスの捕食ではない気がしてきました。そんなにカラスを見かけないことと、侵入したカラスはコアジサシによって追い出されているようなので、カラス以外の捕食者がいるのでは?

それを確認しようと、センサーカメラを設置しました。

センサーカメラ

 

調査参加のみなさま、今回もお疲れ様でした。今回は、3班体制で、上下段、両方の調査を行いました。

上段の調査風景

下段の調査風景

 

調査リーダー

明日10日の営巣調査は実施します。

参加者みなさま

明日の第10回営巣調査(13:30集合)は予定通り実施します。

欠席等の緊急連絡は、
tyousa@littletern.net
までお願いします。

天候急変などの場合は、遠慮なく欠席の連絡をしてください。

 

よろしくお願いいたします。

 

調査リーダー

中央防波堤

7/3、中央防波堤に行ってきました。

(公財)東京都環境公社ホームページより 中央防波堤埋立処分場

LTPスタッフによる「近隣営巣地視察会」という定例行事で、森ヶ崎周辺のコアジサシの営巣状況を把握しようということで、毎年、東京湾内や関東近県のコアジサシ営巣地に視察に行っています。

今回、スタッフ及び関係者で、3年ぶりに中央防波堤外側処分場に視察に行ってきました。

普段は立ち入り禁止の場所で、内部の写真公開はNGということなので、写真はありませんが、コアジサシ30羽程度が飛翔しているのを確認しました。残念ながら営巣しているかはよくわかりませんでした。

他に、セイタカシギコチドリのヒナや幼鳥、抱卵しているアジサシ、子連れのカルガモなどを観察しました。

 

確認した種(抜けがあるかも)
カルガモホシハジロ、スズガモ、カイツブリキジバト、カワウ、ダイサギコチドリセイタカシギ、タシギ、イソシギウミネココアジサシ、アジサシ、ミサゴ、トビ、チョウゲンボウハシボソガラス、ヒバリ、オオヨシキリ、セッカ、スズメ、ハクセキレイカワラヒワ、カワラバト(ドバト)

 

調査リーダー

森ヶ崎屋上営巣地の厳しい現状

 7月3日(日)昼から、森ヶ崎水再生センター屋上営巣地のコアジサシを見て来ました。

デコイ区画の近くで

 昨日の調査で確認されていた期待の既存営巣1巣1卵は残念ながら捕食されていました。

 新規で確認されていたほかの巣でもその多くが卵が捕食されてしまっているようでした。それでもコアジサシたちは求愛給餌をして、交尾をし巣穴を掘り新たな卵を産んで巣を作っていました。

 侵入して来たハシブトガラスを協力して屋上から追い出していました。食べられないように1卵でも抱卵して巣にとどまっています。けれどその努力は報われず、結局食べられてしまっています。

 いったい何回産みなおしているのだろうか?

 よそで失敗して森ヶ崎に最後の望みを託して来てくれたのに、その望みをかなえてあげることが出来ないもどかしさを感じています。

 営巣地を保全して営巣できる場所を作るだけの保護活動の限界がそこにあります。森ヶ崎水再生センター屋上営巣地は安全な子育ての場では無くなってしまいました。
 積極的な捕食者対策を実行しない限りコアジサシが安心して子育てを行える場所は、東京湾沿岸には無くなってしまいました。

コアジサシたちの未来はいったいどうなってしまうのか?

 少数で内陸部の工事現場などの新たな埋め立て地などで細々と営巣している個体は、天敵に見つかることもなくうまく幼鳥を育てているようです。

どこからやって来たのか?そんな子が1羽、屋上営巣地に降りていました。

 夏の青い空に飛ぶコアジサシがいつまでも見ることが出来るように何をするべきなのか?真剣に考えて行かないといけないと思う今日この頃です。

髭面燕鷗