NPO法人リトルターン・プロジェクト

東京都大田区昭和島にある都下水道局森ヶ崎水再生センター施設屋上に、東京都、大田区、NPO法人リトルターン・プロジェクトの3者協同で整備している人工営巣地でコアジサシ保護活動を行っています。活動の様子などをご覧ください。記事上の画像、図式などの無断使用をお断りします。

検見川浜コアジサシ保護区 今年度結果報告など

f:id:littletern:20200621143947j:plain

検見川浜コアジサシ保護区のコアジサシ親子

今年度検見川浜コアジサシ保護区 結果報告

コアジサシ成鳥数 350羽(同時確認最大数)

コアジサシ総営巣数 399巣

コアジサシヒナ 1日での最大確認数 100羽

コアジサシ幼鳥 22羽 最大で約30羽の幼鳥が巣立ったと思われる

総営巣数に対して巣立ち幼鳥が少ないのは

放棄された巣があったこと

6月半ば頃から猫の侵入があり捕食されたこと

(巣立った幼鳥は初期に孵ったヒナが育ったもの)

猫の侵入が確認されてからはヒナ数は増えず大きなヒナも少なくなりました。

いやがらす煌きが2年目の設置にして途中から効果が無くなり、近くで繁殖していたハシボソガラスが侵入し捕食されたことなどによる

6月半ばまで順調に推移していたので、今年は何羽の幼鳥が検見川浜から巣立つだろうと期待したが、しりすぼみの結果になってしまいました。

それでも、少なくとも22羽の巣立ちが見られたことは良かったと思っています。

東京湾最奥の人工海浜に多くのコアジサシが集まり、東京湾内最大規模のコロニーとなったために、他のアジサシ類がひきつけられ検見川浜にやって来ました。

なかでも一番見たかったのは キョクアジサシ

f:id:littletern:20201103194056p:plain

キョクアジサシ Photo by Michiaki Ujihara

f:id:littletern:20201103194752p:plain

キョクアジサシ Photo by Michiaki Ujihara

氏原さまよりお写真をご提供いただいたので特別に公開いたします。

氏原さま ありがとうございました。

この他にもベニアジサシ、クロアジサシなどが確認されました。

また、多くのコアジサシが集まった為、足環付き個体が多くみつかり、その番号から森ヶ崎放鳥個体など東京湾内でヒナに足環をつけ放鳥された個体が確認されたこともうれしい出来事でした。(足環番号読み取りにご尽力されたS.Iさまに感謝いたします。)

なかでもオーストラリアで放鳥されたオレンジフラッグ個体が確認されたことも驚きでした。

f:id:littletern:20201103200733j:plain

求愛給餌を受け入れたオレンジフラッグ個体 Photo by Chisato Yonemochi 

米持さま お写真のご提供ありがとうございました。

今シーズンの検見川浜はいろいろとトピックもありましたが、花火のようなシーズンになりました。

さて、来年はどんなシーズンになりますか?

また改めてご報告させていただきます。

よろしければこちらの記事もご覧ください。

littletern.hatenablog.com

 

以上

検見川浜コアジサシ保護区結果報告でした。

NPO法人リトルターン・プロジェクト

千葉県支部 髭面燕鴎

 

 

 

 

2020年 営巣調査結果まとめ

みなさま

2020年の営巣調査結果のまとめです。

今年はスタッフ及び関係者のみで細々と営巣調査を行いました。

今年のコアジサシの営巣調査結果の図表を以下に示します。

f:id:littletern:20200817131717p:plain

図 2020年営巣調査結果グラフ

 

f:id:littletern:20200817131814p:plain

表 2020年営巣調査結果の表

例年通り、4月中旬にはコアジサシの飛来が確認されましたが、5月中旬になっても数が増えませんでした。おそらく、葛西海浜公園や隣の羽田空港内にコロニーができ、そこにコアジサシが集まったため、森ヶ崎では少なかったと思います。

 

その後、羽田空港のコロニーなどが消失すると、森ヶ崎に集まってきたようで、5月下旬から徐々に増えてきました。しかし、カラスなどの侵入により、産卵しては捕食されの繰り返しで、なかなか巣が増えませんでした。

 

それでも、7月に入るとやっとヒナを確認。繁殖を諦め、多くのコアジサシが森ヶ崎を去っても、1ペアが1羽のヒナを一生懸命育て、8/4には飛翔する幼鳥を確認することができました。飛翔できるようになったためか、8/8には親鳥も幼鳥も森ヶ崎から姿を消しました。

 

結果、2020年は、

成鳥最大数:120羽

総営巣数:264巣

ふ化数:4羽

無事に巣立った幼鳥:1羽

となりました。

 

今年は途中、ヒナも幼鳥も0かもしれないと思ってしまいましたが、なんとか1羽が無事巣立って行ってくれたようです。

 

これまでの総営巣数、ふ化数の経年変化を以下に示します。

f:id:littletern:20200817132045p:plain

図 経年変化

近年は右肩下がりのグラフになってしまっていますが、森ヶ崎で営巣しなくても、他の場所でうまく繁殖していてくれれば、コアジサシ的には良いと思います。

 

調査研究部会

8/8営巣調査結果および8/4ヒナの様子

8/8(土)にスタッフ3名で実施した営巣調査の結果です。
8/4(火)に飛翔を確認していたヒナ1羽とその片親鳥(雄)1羽の姿は既にありませんでした。
まだ十分に飛べる状況ではないのでしょうが、8/5(水)から8/7(金)の間に、親鳥に付き添われて巣立って行ったと思われます。
今期を通してわずか1羽だけのヒナの巣立ち、まずはおめでとう!! これでコアジサシの夏は終わりました。
 

コアジサシ成鳥の数>:0羽
コアジサシヒナの数>:0羽
コアジサシの巣>:0巣

コチドリの巣>:0巣
コチドリ親鳥の様子からヒナがいた可能性がありますが、確認できていません。
 
その他に渡り途中と思われるシロチドリ4羽とムナグロ5羽がいました。
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

以下は、ヒナの姿の最終確認となった8/4夕方の様子です。
 

f:id:littletern:20200804170012j:plain

孵化後わずか19日目で、楽々と20m越えの飛翔です。(2020.8.4)

 

f:id:littletern:20200804170013j:plain

飛べることが楽しくてたまらない様子です。(2020.8.4)

 

f:id:littletern:20200804180654j:plain

日暮れ直前にのんびりと休息していました。ヒナが生まれたのはこの10-24区画内にあった巣です。全くの偶然なのかも知れませんが、巣立つ前に生誕地に別れを告げていたように見えてしまいました。(2020.8.4)

 

リトルターン・プロジェクト

[ こあじ写師 ]




8/2営巣調査結果

みなさま

8/2の営巣調査結果です。スタッフ及び関係者4名で実施しました。

 コアジサシ成鳥の数>
2羽

コアジサシの巣>
合計:0巣
ヒナ:1羽

f:id:littletern:20200802234551j:plain

コアジサシのヒナ

だいぶ大きくなってきました。

コチドリの巣>
合計:0巣
ふ化したのかもしれませんが、ヒナは確認できていません。

チョウゲンボウの侵入に加え、ハクビシンも侵入しているようです。
ハクビシンもヒナを狙っているかもしれなく、心配です。。。

f:id:littletern:20200802235303j:plain

ハクビシンの足跡

その他、ムナグロ、メダイチドリなど渡り途中のシギ・チドリ類も見られました。

f:id:littletern:20200802235623j:plain

ムナグロ

f:id:littletern:20200802235643j:plain

メダイチドリ

調査研究部会

 

7月28日(火)の森ケ崎営巣地

7/28(火)にスタッフ3名で観察しましたので、その状況をお知らせします。
 
確認できたコアジサシの成鳥は、親鳥ペア2羽と放浪個体1羽の合計3羽でした。
ヒナは孵化後11〜12日目になる1羽だけでした。
 
今期最後となるコアジサシ一家は、広い森ケ崎営巣地でとても用心深く暮らしています。
しかし、ハクビシンらしき獣が営巣地から走り去るのを、この日の正午前に目撃されました。
雑食性のハクビシンコアジサシなどの鳥を狙っていたようで、かなり心配です。
なんとかヒナが飛べるまで無事に育ってもらいたいです。

f:id:littletern:20200728150453j:plain

親鳥(雄)が明り採りの上でヒナを見守って、警戒していました。

 

f:id:littletern:20200728165903j:plain

草むらやシェルターに隠れていたヒナが、夕方にちょっとだけ姿を見せてくれました。

 

f:id:littletern:20200728161345j:plain

1羽だけになったヒナは親鳥が獲ってきた魚を一人占めで、すくすくと育っています。

 

[ こあじ写師 ]




7月24日(金)の森ケ崎営巣地

7/25営巣調査結果の報告がありましたが、その前日の7/24にもスタッフ4名で観察しましたので、状況をお知らせします。
 
森ケ崎営巣地の下段では成鳥2羽とヒナ2羽を確認することができました。ヒナは1週間前に孵化した2羽です。孤立状態の一家はとても用心深く行動しているようでした。
午前中にハヤブサ若鳥が出現し、営巣地にいたドバトを捕って行きましたが、幸いにもコアジサシ一家は無事でした。さらに、その直後にチョウゲンボウが出現し、見張っていたコアジサシ親鳥が1羽で果敢に追い払いました。
その他に放浪しているコアジサシ成鳥3羽が営巣地の上空に一度だけ現れました。なので確認した成鳥の数は5羽となります。

f:id:littletern:20200724121233j:plain

見守る雄親鳥とヒナ。もう1羽のヒナはとてもシャイで、画面右端の草むらに隠れています。

 

f:id:littletern:20200724134149j:plain

ヒナの体のわりに大きな魚(コノシロ?)をもらいました。

 

f:id:littletern:20200724112437j:plain

上空を飛び回るチョウゲンボウを親鳥1羽が追い払いました。

 

f:id:littletern:20200724180214j:plain

営巣地ではこんな可愛い子も巣立ちました。イソヒヨドリの幼鳥(雄)です。

 

[ こあじ写師 ]





7/25営巣調査結果

みなさま

7/25の営巣調査結果です。スタッフ及び関係者4名で実施しました。

コアジサシ成鳥の数>
2羽

コアジサシの巣>
合計:0巣
ヒナ:1羽
前回は2羽いたのですが、今回は1羽しか確認できませんでした。チョウゲンボウが侵入してくるので、捕食されてしまったのかもしれません。。。

 

コチドリの巣>
既存:1巣/新規:0巣
合計:1巣
そろそろヒナが生まれると思うのですが。。。

 

今回もメダイチドリが4羽いました。

 

調査研究部会