NPO法人リトルターン・プロジェクト

東京都大田区昭和島にある都下水道局森ヶ崎水再生センター施設屋上に、東京都、大田区、NPO法人リトルターン・プロジェクトの3者協同で整備している人工営巣地でコアジサシ保護活動を行っています。活動の様子などをご覧ください。記事上の画像、図式などの無断使用をお断りします。

コアジサシのデコイの作り方

皆さま
デコイってどうやって作るの?
と思われていることと思っています。
そこで今日はデコイ作りの予習です。
コアジサシのデコイはバードカービング用の専用木材、ジェルトンを使用します。
ジェルトンは削りやすいけれど細かな細工をしやすい木です。



コアジサシデコイ原型


原型はコアジサシ用に上からと横から見た形に1体づつ内山先生が加工してくださってあります。



デコイ材料(体、足、台座)と設計図、参考資料


設計図と資料を参考にして原型を専用のカービングナイフで削っていきます。
設計図と資料は新しく変更したものを用意しています。
原型は平面と側面から切り出してありますので、正面から見ると四角い形をしています。



設計図を基にナイフで粗削り
*写真内のナイフは私物の切出し小刀になります。


原型の四角い角を削り取って丸くしていきます。
この時に中心線を意識して左右対称に削っていくのがポイントになります。
また削るときには、



デコイ原型の木目に注目



木目によって削る方向が決まっています


デコイ原型を横から見た時に平行に木目が通るように、ジェルトンの原木から内山先生がどれも同じようになるように1体づつ木取りしてあります。
頭の部分の真ん中からくちばし方向へは前に、
頭の真ん中から背中の方には逆に後ろに削ると滑らかに削れます。これを順目といいます。
反対に削るとナイフが深く突き刺さっていきザラザラに削れてしまいます。これを逆目といいます。
逆向きに削るときには原型を持ちづらいですが、左手で上手く抑えて右手で削っていきます。
左利きの場合には、右手で押さえて左手で削ります。
とにかく順目で、滑らかに削り少しでも引っかかって逆目になったら、持ち替えて逆向きに削っていくとうまく削れます。
くちばしは細くて削りやすいので短くなりがちですので注意しましょう。
最初にお腹や背中の大きなところを削るのがコツです。



細部まで削り出したらナイフは終了


最後にくちばしを削ったらナイフ作業は終了です。
ナイフを片付けてから紙やすりでこすって全体を滑らかにします。
紙やすりでこすった後はナイフは使えません。
紙やすりでこすると小さな砂粒が木の中に残ります。そこをナイフで削ると砂粒で刃がこぼれてしまいます。



紙やすりで仕上げ、足と台座を接着します


紙やすりでこすり全体が滑らかになったら足の棒と台座をボンドで接着します。
ボンドはたっぷりつけて確実に接着しましょう。



ジェッソで下塗り


アクリル塗料のジェッソで全体を塗って目止めします。
ここまでが昼までの作業になります。
ジェッソが乾くまでの時間でお昼休みとコアジサシについての勉強会になります。



アクリル絵の具で仕上げ塗りをして、目を入れたら完成


下塗りが乾いたら使い古した紙やすりで軽くこすって毛羽を取り、アクリル絵の具で背中と頭とくちばしをそれぞれの色で塗ります。
乾いたところでボンドで目を接着すれば完成です。



NPO法人かしわ環境ステーション様主催のカービング教室で出来上がったコアジサシのデコイ


同じ原型から作りますが、それぞれに個性豊かなコアジサシが出来上がります。
どんなデコイが出来上がるか楽しみですね!
あなたの作ったデコイが



©Yutaka.Otsuka


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