NPO法人リトルターン・プロジェクト

東京都大田区昭和島にある下水処理施設「東京都下水道局森ヶ崎水再生センター」東施設の建物屋上に、東京都下水道局と大田区とNPO法人リトルターン・プロジェクトの3者で協同で整備している人工の営巣地でコアジサシの保護活躍を行っています。活動の様子などをご覧ください。

頑張れコアジサシ!負けるなコアジサシ!

今年は渡りがおかしいと最近よく耳にします。
鳥達の渡りに何か異変が起きているのかもしれません。
森ヶ崎屋上のコアジサシにも非常事態が起きています。
去年の今頃には、250羽を超えるコアジサシが森ヶ崎屋上にやって来ていました。
ところが、昨日の森ヶ崎屋上営巣地で見られたのは、
上空を高く飛ぶたった6羽のコアジサシのみでした。
森ヶ崎の鼻干潟には40羽ほどのコアジサシがいましたので、
森ヶ崎周辺で50羽くらいのコアジサシがいることになりますが、
それにしても少なすぎです!
旅の途中で良い営巣地が見つかったのであればそれはそれで良いのですが、
何か悪い事が起きたのではないかと少し心配になってしまいます。

コアジサシは浮気な鳥で毎年営巣地を変えるとよく言われています。
森ヶ崎でも増減を繰り返しながらも、ここ4年とても良い状態を維持していました。
僅か44巣の営巣で巣立ちも無かった2011年から盛り返して2015年にピークを迎え。
昨年も成長数は減りましたけれど多くの幼鳥が巣立ちました。
しかし、ついにその時が来てしまったのかもしれません。
今年は昨年より2日早い4月13日に4羽で初認しましたが、その後コアジサシの数が爆発的に増えることはなく、
今年初めての営巣を確認した日から昨日まで4〜50羽と変わっていません。
2015年、16年は毎週コアジサシ成鳥数が倍々に増えていましたので、
初認からの日数からいっても全然少ない成鳥数になっています。
コアジサシは仲間とコロニーを作って協力をして天敵から巣を守りますが、
今年は親鳥の数が少ないので防御力が弱く簡単にカラスに捕食されてしまっているようです。
営巣地に多くのコアジサシが降りていれば、カラスの侵入に対して猛烈なモビングをかけて追い出せるのですが・・・
1卵、2卵では本格的な抱卵を始めないことも少し災いしているようです。
1卵を産んで次の卵が追加されるまでの間、がら隙の営巣地
例年場内で営巣をしているハシボソガラス
今年は営巣を諦めてしまったのかすっかり屋上営巣地に居着いています。

営巣地内を歩き回るハシボソガラス
何かないかと丹念に調べて片っ端から卵を食べてしまっています。
2羽で丹念に営巣調査をされてはひとたまりもありません。
他にもハシブトガラスの侵入があるのでよけいです。
あまりにも悲しいので報告を上げていませんでしたが、
5月4日に確認された卵も5月6日にはほとんど捕食されていました。

5月13日の午前中に確認されていたコアジサシの卵
営巣調査講習会が終わってみんなで帰るときに

ハシボソガラスによる捕食が目撃されました。
少しわかりにくいですがコアジサシの卵をくわえています。
コアジサシは卵を産んでは食べられてを繰り返して頑張って来ましたが、そろそろ繁殖をしようというモチベーションが薄れてきているように感じられます。

森ヶ崎の鼻干潟でカワウの追い込み漁を利用してダイビングを繰り返すコアジサシ
その狩りは恋人へのプレゼントではなく、自分のいのちを繋ぐためだけのものになってそうです。
頑張れ!コアジサシ!!
負けるな!コアジサシ!!
今年こそは繁殖に成功するんだという強い意志を持ったコアジサシの群れが遅れてやって来ることに期待しています。
リトルターン・プロジェクト