NPO法人リトルターン・プロジェクト

東京都大田区昭和島にある都下水道局森ヶ崎水再生センター施設屋上に、東京都、大田区、NPO法人リトルターン・プロジェクトの3者協同で整備している人工営巣地でコアジサシ保護活動を行っています。活動の様子などをご覧ください。記事上の画像、図式などの無断使用をお断りします。

2016年 営巣調査結果まとめ

みなさま

今年の営巣調査結果をまとめました。


営巣調査1〜11回まで、スタッフ含めた参加者はのべ227名。
プレプレ調査(4/29)とプレ調査(5/7)を含めると述べ243名。
ご協力ありがとうございました。


今年は4/17に森ヶ崎でのコアジサシの飛来を確認しました。
昨年は4/19に8羽だったのに、今年は70羽も飛来しました。
営巣も例年になく早く、4月中にすでに営巣し、4/29に300羽、17巣を確認。
4月中の営巣は初めてではないでしょうか。


その後順調に個体数、営巣数は増えていき、成鳥最大数は1500羽(5/21)ほどになりましたが、ハヤブサが頻繁に飛来したことで親鳥が安心して抱卵できず、また、カラス除け「いやがらす」の効果が薄れカラスの侵入が増えたことで、たくさんの卵、ヒナが死亡または捕食されてしまいました。
ネコによる捕食もあったようです。


営巣時期が早かったことと、卵の捕食が多かったため、再営巣するコアジサシが多く、総営巣数(1559巣)は昨年(1531巣)と同じくらいありましたが、ふ化したヒナの数は昨年の2200羽より少なく、多く見積もっても1600羽ほどでした。
1600羽のヒナが生まれたのに、調査ではそれほど多くのヒナは確認できませんでした。
その原因もカラスやネコによる捕食だと思われます。


そこから飛べるようになるまで育った幼鳥はさらに少なく、昨年は一度に300羽ほどの幼鳥を確認しましたが、今年は多くて50羽。総数では90羽ほどと推定しています。


営巣が早かったことと捕食の被害で、6月に入ると個体数、巣数ともに減少し始め、7月中に森ヶ崎での今年の繁殖は終了しました。



図. 2016年の営巣状況。


表. 2016年の営巣状況。



これまでの巣数、ふ化数の経年変化を図示します。


今年、捕食の被害が多かったので、来年もたくさんのコアジサシが来てくれるかちょっと心配です。。。


調査研究部会リーダー