NPO法人リトルターン・プロジェクト

東京都大田区昭和島にある都下水道局森ヶ崎水再生センター施設屋上に、東京都、大田区、NPO法人リトルターン・プロジェクトの3者協同で整備している人工営巣地でコアジサシ保護活動を行っています。活動の様子などをご覧ください。記事上の画像、図式などの無断使用をお断りします。

他地域のコアジサシ 検見川浜コアジサシ保護区の様子

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千葉市検見川浜コアジサシ保護区全景

 千葉市の鳥はコアジサシです

 市の鳥を保護すべく、千葉市にある人工海浜の検見川の浜には千葉市環境保全課により毎年コアジサシ保護区が設置されています
 保護区内の草むしりやゴミ拾いなどの作業や保護区の設置作業などを千葉市と協力して野鳥関連団体や愛好家などボランティアが集まり行っています
リトルターン・プロジェクトでは検見川浜でのコアジサシ保護活動に協力しています

 

今年の検見川浜コアジサシ保護区の状況などをお知らせいたします

3月18日(水) 検見川浜コアジサシ保護区予定地の除草作業 耕運機による耕転作業

4月15日(水) 検見川浜コアジサシ保護区 ロープ柵設置及び除草作業

5月14日(木) コアジサシ約20羽 1巣1卵での抱卵を確認 

   17日(日) コアジサシ約70羽 3巣2卵での営巣確認 いやがらす煌き設置開始

   24日(日) コアジサシ約100羽 43巣(1卵~3卵)での抱卵を確認

   31日(日) コアジサシ約250羽 157巣(1卵~5卵)での抱卵を確認

         ヒナ2羽の誕生を確認 

6月7日(日)  コアジサシ約300羽 270巣 ヒナ4羽確認

  14日(日) コアジサシ約350羽 今期通算338巣目を確認 

        検見川浜コアジサシ営巣数 新記録達成

       すでに孵化した巣と放棄された巣があるので約290巣で抱卵・抱雛中

       37羽のヒナを確認 

       最初に産まれた2羽のヒナは初列風切り羽が伸び始めていました

 コアジサシの他に保護区内ではコチドリとヒバリが営巣しています

 いやがらす煌きによるカラス除けの効果とコアジサシ自身のモビングにより保護区内に降りるカラスはなく産み落とされた卵はそのまま育ちヒナが産まれています

チョウゲンボウも入らず野良猫などの四つ足もいないので

産まれたヒナは順調に大きく育ちコアジサシにとって大変幸せな時間が流れています

 

 最近の営巣地から営巣風景など

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東京湾の一番奥で絶滅危惧種が子育て中

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青い海と雪をかぶった富士山 6月10日撮影

 検見川浜は東京湾奥に作られた人工の砂浜の海浜公園の一部です

その砂浜にコアジサシがやって来て繁殖をしています

天気が良いとスカイツリーと富士山がよく見えています

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真夏のような砂浜で抱卵中

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草がヒナの隠れ場所

 森ヶ崎屋上のように特にシェルターは設置していません

草地がちょうどよいヒナの隠れ場所になっています

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砂浜の親子

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千葉市の海は餌となる小魚が豊かです

 砂浜で産まれたコアジサシのヒナは少し大きくなると親に連れられて草地の中に隠れるようになります

それでも産まれた巣の位置は覚えているらしく割と巣から近い所に隠れています

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波打ち際でくつろぐコアジサシ

 検見川浜はウインドサーフィンスタンドアップパドルボートなどのマリンスポーツや突堤での釣りや干潟での潮干狩りなどのマリンレジャーでにぎわっています

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ファーストサマー

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波打ち際のアジサシ

 波打ち際で休むコアジサシにはファーストサマーやアジサシやハジロクロハラアジサシなどが混じることがあります

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Photo by Chisato Yonemochi

 先日のこと青いカラーリング付きのファーストサマーが確認されました

昨年九十九里浜でS藤T夫さんが放鳥された個体と分かりました

産まれた年も九十九里浜から検見川浜に来ていたことも分かり、越冬地からの長旅の先に選んだのも検見川浜という根っからの検見川浜好きのようです

また来年帰って来て検見川浜で子育てをしてくれたならそんなうれしいことはありません

 以上

検見川浜コアジサシ保護区状況報告でした

NPO法人リトルターン・プロジェクト

千葉県支部 髭面燕鴎

6月9日の森ケ崎営巣地など

6月9日(火)にスタッフ5名で森ケ崎営巣地と羽田空港内営巣地を観察してきました。
 
森ケ崎営巣地ではコアジサシ成鳥20羽弱が観察され、新たな営巣は少なくとも9巣見つかりました。
このうち上段営巣地の7巣はどれも1卵だけですが、早くも抱卵をしていました。
下段営巣地の2巣は巣の中を確認していませんが、これらも抱卵をしていました。
 
かなり寂しい状況ではありますが、やや復活の兆しが見られています。
このまま無事に存続すれば、幼鳥が飛べるようになるのは7月末頃でしょうか。
捕食者はチョウゲンボウ1羽とハシブトガラス1羽が現れましたが、特に被害はなかったようです。
干潟ではコアジサシ約50羽が休息し、約30羽が採餌していました。
 

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抱卵中の♀︎

 

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抱卵中の♀︎(右)に小さなハゼを給餌する♂︎(左)

 

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♀︎に給餌の後、「どうだっ!」のポーズの♂︎

 

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下段営巣地(旧営巣地)でも2巣(左前と右奥)が抱卵中


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羽田空港内営巣地は、京浜島つばさ公園の南西端からの観察なので、およそ600メートルの距離があり、営巣状況ははっきりとは確認できません。
コアジサシ約100羽が土砂の台地に降りたり、一斉に飛び立ったり、求愛給餌などもしていました。
あくまでも推測ですが、営巣している可能性はありそうでした。
 

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羽田空港内営巣地(?) 何かに驚いて約100羽が一斉に飛び立ち

[ こあじ写師 ]

 

6/7の森ヶ崎営巣地

スタッフ少人数で、調査を行いました。
しかし、飛んでるコアジサシは少なく、座っているコアジサシも見当たりません。。。

代わりに営巣地上空をたくさん飛んでるのは、

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イワツバメ。水再生センターの建物でたくさん営巣しています。

 

コアジサシ成鳥の数>
7羽

コアジサシの巣>
合計:0巣
地面に座ってるコアジサシが見当たらなかったので、営巣地内を歩くことはせず、外側から観察しました。

 

コチドリの巣>
既存:1巣/新規:0巣
先週2巣あったうち、1巣は孵化したようです。どこかにヒナがいるかもしれませんが、見当たりませんでした。

 

しかし、羽田空港内のコロニーはさらに増えているようです。ちょっと遠いですが、パッと見て70羽ほどが見えました。

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遠いので小さいですが、ちらほら飛んでるのはコアジサシです。

森ヶ崎の代わりに、羽田空港で頑張ってもらいたいものです。

 

調査研究部会リーダー

5/30の森ヶ崎営巣地

スタッフ少人数で、営巣地の外から調査を行いました。
座っているコアジサシの数を数えて、巣の数としました。

 

コアジサシ成鳥の数>
約40羽

コアジサシの巣>
合計:18巣
下の段の営巣地にも巣がありそうです。

f:id:littletern:20200530124813j:plainデコイの中でも営巣していました。

 

コチドリの巣>
既存:2巣/新規:0巣
まもるくんに守られています。来週くらいにはヒナが見られそう。

 

先週の状況とあまり変わっていません。コアジサシの求愛給餌が見られるので、まだ巣は増えそうですが、

f:id:littletern:20200530105625j:plainこちらも先週同様にカラスが時々侵入して卵を持ち去ります。。。

しかし、羽田空港内のコロニーは復活したようで、森ヶ崎よりも多い50羽ほどが地面に降りたりする様子が見られました。

 

地面に降りているコアジサシを観察していたら、急に身をかがめ、上空をチラ見し始めました。もしや、と思って上空を探すと、

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やはり、ハヤブサ。同時に2羽が干潟の上空で旋回していました。
幸いハヤブサに襲われたコアジサシはいなかったようですが、ハヤブサが現れるとコアジサシたちは高く飛び上がって、なかなか巣に戻ってきてくれません。今日も1時間ほどは戻ってこなかったと思います。。。

 

調査研究部会リーダー

5月26日の森ヶ崎営巣地など。

26日火曜日、営巣地を見てきました。
コアジサシが10羽前後、時々飛来し、降りるものもいましたが、求愛などのしぐさはみられませんでした。
森ヶ崎の鼻干潟は大潮で大きく干潟が干出していましたが、コアジサシは1羽も見られません。シギ、チドリも皆無。(写真①)
先週100羽近くのコアジサシが飛び、ときおり降りていた羽田空港内の盛り土台地は、重機が入り、鳥の姿はありませんでした。
京浜島つばさ公園からも間近に観察しましたが、空港内はフライトのないジェット機が、会社ごとに区分けされてとまっているのが印象的。(写真②)
城南大橋から東京港野鳥公園の砂礫地を観察しましたが、コアジサシの姿はなし。

(写真③)
コアジサシだけでなく、鳥全体の影が薄く、わずかにオオヨシキリの声に初夏を感じました。

コアジサシの夏が来ることを祈りましょう!!

写真①

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写真②

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写真③

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M投稿

5/24の営巣地の状況

スタッフ少人数で営巣調査を行いました。

コアジサシ成鳥の数>
約40羽

コアジサシの巣>
既存:0巣/新規:7巣
合計:7巣
1/2区画調査で7巣なので、全体の見積もりでは14巣。
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ペア?で地面に降りるコアジサシ(左の個体は尾が長いのでたぶんオス)

 

コチドリの巣>
既存:1巣/新規:1巣

 

コアジサシは少しずつ増えてきているようですが、
カラスが時々侵入して卵を持ち去る様子も観察されました。。。

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(保護整備部会サブリーダー撮影)

 

先週スタッフが見つけた羽田空港内の営巣地は、

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何かあったのか、静かで何も飛んでいません。
いや、2羽だけ飛んでいました。チョウゲンボウが。。。

コアジサシにはよくあることですが、このように、突然、営巣地がダメになってしまった時のためにも、近くに営巣地の候補地があるとそこに移動して再び営巣します。もちろん同じ場所で再び営巣することもあります。

きっと羽田のコアジサシの何羽かは、森ヶ崎に引っ越してきているのではないでしょうか。

 

調査研究部会リーダー